第2章 マーケティングと企業戦略

[マーケティング・マネジメント4] マーケティングコストパフォーマンス

マーケティング活動を展開する上で費やしたコストとその活動成果との関係をいう。

マーケティングコストとその成果
 マーケティング活動を展開する上で費やしたコストと、その活動成果との関係を「マーケティングコストパフォーマンス」といいます。一般的には、新商品を投入する場合、目標とする販売数量、予定する販売価格帯、予想利益率、及びその商品に対する経営上の戦略や位置づけ――例えば、利益獲得のための高付加価値商品と位置づけるのか、市場での地位を確保するために販売数量を稼ぐ低付加価値商品と位置づけるのか――などのマーケティング目標を設定します。そして、それらのマーケティング目標を実現するために必要なコスト(広告宣伝費、プロモーション費、流通販売費など)の配分と各コストにおける最適な組み合わせを予算の枠内で検討することになります。

コストの検討
 コストの検討において重要なのは、対象とする市場における商品の寿命(プロダクト・ライフサイクル)が、どの段階にあるかを見極めることです。例えば、新商品の場合、より多くの消費者に認知してもらうこと(話題づくりなど)が最大のマーケティング課題となるので、広告宣伝費の比重が相対的に高くなります。そして、最大の認知度を達成するために最適なメディアの組み合わせが検討されることになります。この場合の効果とは「どれだけの人に新商品を認知してもらえたか」であり、それが投入したコストに見合ったものであるかどうかが、マーケティングパフォーマンスの視点から評価されることになります。

重要なのは効果の測定
 競争が激しくなればなるほど、マーケティングコストは増大する傾向があります。そして、コストを増大したからといって、それにふさわしい効果が上がるとは必ずしも言えません。大切なのは、その効果をきちんと測定して、コストパフォーマンスの視点からの評価を次からのマーケティング計画に生かすことなのです。