第4章 商品政策と製品ライフサイクル

[商品開発2] ネーミングとパッケージング―差別化のために

商品の違いを際立たせる重要戦略であり、ステップを踏まえた緻密な決定過程が求められる。

感性的な差異
 商品において、ネーミングやパッケージングの果たす役割がますます大きくなっています。商品の持つ機能の違いがなくなりつつある今日、商品間の違いを際立たせるためには、感性的な差異が重要となっているのです。

ネーミングの決定ステップ
 好感の持てるネーミングは、消費者との間にある種の良好なコミュニケーションを生み出すと言ってもよいでしょう。一般的には、商品のネーミングは次のようなステップで決められます。
 まず、商品コンセプトに基づいて、ネーミングの枠組み(満たすべき要件)や特徴を整理し、ブレーンストーミングなどを行い、できるだけ多くのアイディアを出します。
 次に、「言いやすい」「覚えやすい」「明るい」など商品コンセプトに合ったイメージ項目でふるいにかけ、最終的に3〜5案程度に絞り込みます。
 これらの候補の商標登録について特許事務所に依頼し、商標チェックをかけます。さらに消費者調査により、ネーミングに対する消費者の好感度や連想などを測定します。最終的には、これらの結果に基づき、決定されるのです。

パッケージングの重要性
 パッケージングも、輸送や陳列の際に商品を保護する役割だけではありません。製品差別化のための重要な要素です。パッケージの決定にあたっては、やはり評価テストが実施されます。パッケージングの試作品を作ったうえで、グループテスト、ホームユーステスト、模擬店舗テストなどを実施します。