第4章 商品政策と製品ライフサイクル

[商品開発4] ニーズ/シーズ/ウォンツ

消費者の必要性を満たすニーズ志向に加え、消費者のウォンツを顕在化するためにシーズ志向を。

ニーズ志向、シーズ志向の意味するもの
 消費者の求めている必要性を「ニーズ」、メーカーのもっている特別な技術や材料を「シーズ」といいます。特に、消費者の求める商品の機能を追及したり、問題を解決するような新商品や新規事業を生み出すことを「ニーズ志向」、技術的に可能であるということから新しいアイデアを得て、新商品や新規事業を生み出すことを「シーズ志向」と呼んでいます。
 実際に各企業を見ていくと、シーズ志向的な新商品開発が得意な企業とニーズ志向的な新商品開発が得意な企業があります。シーズ志向で新製品の導入を図っている企業には、従来のドメインと違った事業分野に進出する場合が見られます。例えば、先端的な合成繊維技術から医療技術に進出する繊維メーカーや、界面活性剤の技術からフロッピーディスクの生産に乗り出すトイレタリー企業などです。

ウォンツの顕在化
 シーズ志向というと、消費者不在で技術的なノウハウから新事業の展開を図るような印象を持ちますが、実際には、消費者不在では商品は市場に受け入れられません。
 市場が成熟している段階では、消費者が自分自身の欲求に気づいていない場合も多くなっています。こうした潜在的な欲求を「ウォンツ」といいますが、ウォンツを商品化するためには、シーズの掘り下げが不可欠になります。
 新しいシーズにより、ウォンツが需要として顕在化し、大きな市場を生む場合があります。例えばインターネットは、消費者が目に見えるかたちで望んだのではなく、商品・サービスが提供されて初めてニーズとなったのです。
 ニーズとシーズは、企業においてできる限り両立することが望ましく、同時にウォンツを絶えず意識したマーケティングを展開していくことが求められます。