第6章 流通政策と関連法規

[流通業者3] フランチャイズ・チェーン

本部の指導に従えば未経験者でも店舗経営ができるシステムで、多くの店舗が展開できる。

フランチャイズ・チェーンとは
 フランチャイザー(チェーン本部)がフランチャイジー(加盟店)と、一定地域内での特定商品の販売などに関する契約を結び、統一されたイメージで多店舗展開する経営システムです。
 チェーン本部は、商品の開発、加盟店から収集した情報の分析や、まとめて仕入れた商品の供給、情報機器の斡旋、接客マニュアルの配布などの経営ノウハウを提供し、加盟店は、加盟料(ロイヤルティー)や指導料を支払うとともに、チェーン本部の経営指導に従うことが求められます。

フランチャイズ・チェーンのメリット
 チェーン本部には、加盟店側が店舗や労働力を提供するので、少ない資本で多くの店舗が展開できるメリットがあります。また、多店舗化によって特定ブランドのシェアアップや経営ノウハウの信頼度アップが可能となります。店舗数が多くなると、商品を大量に安く仕入れたり、情報の収集が容易にできたりするなどのメリットも望めます。
 加盟店には、本部から経営指導が得られるため、知識や経験がない人でもビジネスが始められ、しかもチェーンの信頼度や情報収集力を利用できる利点があります。

フランチャイズ・チェーン淘汰の時代
 こうしてフランチャイズ・チェーンは、コンビニエンス・ストアや外食産業などを中心に1970年くらいから急速に増加しました。
 しかし、出店数が多くなり、チェーン同士の競争が激化してきたため、チェーン本部と加盟店との間にトラブルも生じています。「チェーン本部が予測した売り上げが実現しない」と加盟店が本部を相手に訴訟を起こすケースや、「指示に従わない」と本部が加盟店との契約を解除するケースも出てきています。フランチャイズ・チェーンも淘汰の時代というわけです。