第6章 流通政策と関連法規

[販売活動2] ルートセールス

営業担当者が一定のルートを巡回しながら営業活動と配送を行うこと。

ルートセールスとは
 営業担当者が一定の販売担当区域を持ち、販売ルートに沿って、その得意先を定期的に巡回して、商品の販売、販売促進、注文取り、代金回収、配送などを行う営業方法を「ルートセールス」といいます。商流と物流が一致したシステムです。
 これまでは、大手飲料メーカーのように、自社の営業担当者が小売店に直販することで流通経路を短縮し、物流コストを低減させた企業が成功を収めてきました。

メリットとデメリット
 ルートセールスでは得意先を訪問する営業担当者がいつも同じなので、小売店の信頼を得やすいというメリットがあります。また、得意先が遠隔地にある場合、1回の訪問で集金と配送が兼ねられるので効果的です。
 デメリットとしては、営業活動と配送を兼ねるために非効率になりやすいこと、販売管理費の負担が大きいことなどが挙げられます。

ルートセールスの今後
 最近では、従来のようなルートセールスは行われなくなってきました。その理由として、量販店やコンビニエンス・ストアが増加したことにより、商物一体のメリットがなくなったことがあります。
 量販店やコンビニでは、商談や販売促進はチェーン本部で一括して行い、納品は自社の物流センターに直送するように要請するため、ルートセールスが入り込む余地がなくなっているからです。
 また、従来は営業担当者が行っていた受注活動が電子データ交換による受注に代わり、集金も銀行振り込みが普通になったこともルートセールスを非効率と思わせる大きな要因です。そのため、ルートセールスを廃止して、営業担当者を商談や販促活動に専念させるという企業が増えています。