第9章 広告と広報活動

[広告指標1] 広告効果(GRP)

「どれだけの人がその広告に接触したか」をとらえるための指標。

広告効果測定の意味
 広告活動は、広告目標の達成を前提に行われるマーケティング活動ですから、その目標段階に応じて、それぞれの効果を測定・評価することが重要となります。そして、その結果によっては、メディアミックスやクリエイティブ・プランを早急に見直さなければならない事態に直面することもあります。いずれにしろ、広告効果を測定することによって、広告戦略のさらなる最適化・高効率化に向けたアクションが可能となるのです。
 広告効果の測定項目としては、広告到達度測定や広告内容理解、広告好意度、広告イメージ、関心度、購入意向度などが代表的なものですが、最終的に商品を購入したかどうかといった販売実績との関連性なども測定領域に含まれています。その一方で、競合商品の広告戦略やさまざまな社会的要因などの広告以外の変数が入り交じるために、どこまでを純粋にその広告の効果として評価すべきかといった課題も絶えず存在しています。

GRP(累積到達度)
 広告の媒体効果の評価指数として一般的に用いられるのが、GRP(Gross Rating Point=累積到達率)です。GRPは、どれだけの人がその広告に接触したかをとらえるもので、「広告が到達した広がり(リーチ=最終的にその広告に接触した世帯率)×広告に接触した頻度(フリークエンシー=その広告に接触したことのある世帯が、最終的に平均何回その広告に接触したかを求めた回数)=GRP」という関係が成立しています。
 媒体効果の評価には、他に広告注目度という概念があります。これは、広告の質的なインパクトレベルやイメージといった質的要素、新聞や雑誌など活字媒体においてはその広告の掲載位置や色使いなどによって規定されるもので、実際の媒体効果では、先にGRPを含めた総合的な効果を測定するということになります。