第10章 消費者意識と購買行動

[購買行動1] 購買プロセス

購買プロセスの各段階に沿った的確な刺激が、商品購入の促進につながる。

購買意思決定の諸段階
 消費者が商品の購入を決定するまでには、5つの段階を経るといわれています。具体的には、@問題の認識、A情報の探索、B情報の評価、C購買決定、D購買後の行動という5段階です。この5段階モデルの特徴は、消費者が商品を実際に購入するかなり以前からスタートしていることや、商品の購入後も長期間にわたって影響を及ぼすことを明確にしている点にあります。

購買プロセスの内容
 それでは、具体的に各プロセスについて見ていきましょう。
@問題の認識 消費者が、ある刺激により商品に対するニーズを感じた段階を指します。例えば、友人の新車を見て自分も欲しくなるなどの段階です。
A情報の検索 ニーズ発生後に、それに関してより詳しく知るために情報集めをする段階です。しかし、ニーズを満たすものがすぐに購入できる場合には、これを行わない場合もあります。
B情報の評価 入手した情報について比較検討を行い、代替商品の検討を加える段階です。
C購買決定 評価段階を経て、特定商品の購入を決定する段階です。なお購買決定時には、購買者の意志に関わらず他者の態度や事故といった、購買阻害要因の影響を受ける場合があります。
D購買後の行動 消費者は、商品購入後に満足か不満足を経験します。満足した場合には次回も同じ商品を購買したり、知人に使用結果を伝えたりしますが、不満の場合には商品の返品、商品価値を高めるための情報収集などの行動に出ます。

購買プロセスの把握
 マーケティング担当者はこれらのプロセスを把握し、各段階ごとに的確な刺激を与えることにより、商品購入を促進させることが可能です。ただし、衝動買いなど、このモデルでは説明のつかない現象があることにも注意を払う必要があるでしょう。