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NRCプレゼンス

日本リサーチセンター主催セミナー 2015年2月5日開催レポート NRCプレゼンス「2015年のいま、メディアの変化から未来生活を読み取る意味」 講師:倉沢 鉄也 氏(日鉄住金総研株式会社 調査研究事業部 研究主幹)

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倉沢 鉄也 氏
講演者紹介
倉沢 鉄也 氏

日鉄住金総研株式会社 調査研究事業部 研究主幹

1993年、(株)電通総研に入社。調査研究、コンサルティングに従事。
2001年、(株)日本総合研究所に転職。引き続き調査研究、コンサルティングに従事。
2014年、日鉄住金総研(株)に転職。研究主幹として現職に至る。
・放送と通信の融合にともなう情報産業ビジネスの進展と、メディアライフスタイルの変化を軸に、それらが公共政策や企業のビジネスに与える影響について、幅広く調査研究活動を行っている。
・近年は、デジタル放送、モバイル通信、それら広告ビジネスなどを中心に、メディア・コンテンツ分野に長らく精通する立場からの情報発信やコンサルティングを行う。

単独著書:『ITSビジネスの処方箋』『テクノ図解 ITS』『ITSビジネスの未来地図』 共著:『モバイルバリュービジネス』『モバイルバリューの社会システム』『ケータイ社会白書2011』『ケータイ社会白書2012−13』『モバイルコミュニケーション2014−15』 講演、政府関連委員会委員、マスメディア出演、多数。 コラム執筆、寄稿等 多数。 近年は朝日新聞デジタル「WebRonza」で不定期寄稿:主にメディア、スポーツ。
講演のポイント

◎この15年・20年でメディアビジネス、メディアライフスタイルが失ったものとは、「報道」というものを誰が支えるのかわからなくなってしまったということ。これは深刻な日本の将来の問題であり、「報道」は誰かが支えなければならないものだ。

<1> 過去:面白かった?いえ、全部わかっていたはず
デバイスが全国に普及し、スマホ・タブレットの台頭で情報量+モビリティが進行。「ながら視聴」でのネット利用の時間は増大した。
ネットビジネスの市場は伸びているが、コンテンツで唯一伸びているのがゲーム。テキストも動画も音楽も落ちており、ゲームがコンテンツ市場を支えている。
ネットビジネスは仲介してマージンを得るビジネスばかりで、今までにない情報をつくってはこなかった。情報づくり(報道+制作)を支えるビジネスを必要としながらも、それを支えてこなかった。
1950-60年代のテレビ論には、すでにソーシャルメディアとのコラボが多数予言されており、2000年頃の段階でネットビジネスの2015年の未来はわかっていた。
<2> 現在:伝わらない?いえ、伝える人が絶滅するほうが問題
メディア業界の最大の問題は「高齢化と貧困と若手不足」。それに圧迫され、情報づくり(映像制作、プログラミング、報道)の担い手が欠乏している。
例えば、AP通信社が各企業の決算発表記事を自動的に作成する技術の導入を発表したように、定型書面なら機械でも書けるが、人間から聞き出す、読み取るのはやはり人間である。問題は人間の記者の育成の濃縮化とその方法である。
調べ、記事をつくり、選び、伝えることを判断する人は高待遇でなければいけないが、この100年間、報道機関が膨大な広告収入を得ることで解決していた人件費・取材費等の問題が、ネットメディアの隆盛によって崩壊しようとしている。
ネットビジネスは、約20年たち十分成熟しビジネスモデル論も終わった。ポータル画面にニュースを仕入れることは集客上不可欠となったが、「微細×集合」のネット業界相手に、広告収入がニュースの調達コストに還元されない矛盾を解決することはもうできない。
つまり、今、報道という社会の財産を支える方法を失おうとしている。これは深刻な日本の未来であり、報道はいかなる方法をもってしても守らなければならない。それがこの20年のメディアビジネス論の帰結である。
<3> 日本の未来生活のために、メディア側に必要なこと

未来その1:マス情報なしに消費経済の向上はない

消費者は真に必要なものと真に必要でないものを両方買っている。選ぶための情報もまた、買わせようとする情報であり、広告自体がトレンドニュースである。広告を見ることで、広告以外のサービスが無料or安く手に入ると無意識に理解しているはず。消費経済は日本のGDPの6割を占めており、消費意欲の刺激なしに景気向上はありえない。

未来その2:データを分析するだけの広告主のムダ使いは避けねばならない

ビッグデータをいくら集めても、“広告、マーケティング観点”での売上は増えない。さらには、ビッグデータを分析するためにコストをかけても、費用対効果は改善されない。ビッグデータが進展しても意外性のない「おすすめ市場」ができるだけであり、新しいビジネスはできない。
結局、消費者向け情報について、企業のコスト効率化策はマス情報の積極的コントロールに戻る。企業が収益を得るためには、この60年来やってきたことのほうが当たっているのではないか。データ分析のムダ、社内説明のための無意味なコストはもうやめるべきだ。
<4> 提言 それでも支えきれない報道をきちんと維持するために

提言:報道に、優秀な清貧は必須。それを支える潤沢な「メディア外収入」を

報道媒体を持っていない会社が報道を支えてもいい。非メディア企業が報道部門を支える社会のようなものができれば、世界にアピールできる新しい形となる。
三権と対等な報道機関を成り立たせるために、既存の異業種参入があっていい。メディア・コングロマリットが2つまでは合併していいし、異業種連合による競合が出現してもいい。一方でハイリテラシーな人材を確保する高い人件費の確保が必要。
質のいい人材を育成するために、ゼロからの叩き上げを是としない育成方法を報道共有コストででも作る必要がある。それを作り上げた上で、報道記者という職業のリ・ブランディングが必要だ。
それらの活動を支えるために、国民に納得してもらえる程度の「ヘルシーな課金、広告」を読者から得ることで、正しいニュース、正しい商品トレンドを知ることのできる社会を作れる。
将来のメディアビジネスについては、オーソドックスなビジネスの予測とライフスタイルの予測の中では、そうビックリすることも起きない。だが、何か志を持ってやっていた人が報われるような日本のメディアと経済と消費行動であって欲しい。
上記を踏まえて、当社はNRC自主調査「メディア編」を行いました 自主調査はこちら
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広報室 担当:小宮山学
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