社員コラム

マーケティングにおける海外調査の落とし穴【2】

執筆者:日本リサーチセンター 松川 倫子

日本と海外の違い~集合時間は実際の1時間前が原則?

 海外調査を設計する上で、まずは調査したい国の宗教、文化、スケジュール(休日等)等の違いを理解する事が重要です。例えば、サウジアラビアでは国教がイスラム教で、国民は他の宗教を信仰することを禁じられています。イスラム教徒はアルコールと豚肉を口にすることを禁じられているため、アルコールや豚について、調査で聞くことはできません。スケジュール面では、サウジラビアの週末は日本の土日とは違い金土です。また、ラマダーンの期間は1か月程度休みになり、その間は基本的に調査ができません。(ラマダーンは年によって時期が異なる点も注意が必要です。)普段の平日であっても、1日5回の礼拝があるため、その時間を避けてインタビューをする必要があります。また、そもそもの時間感覚が日本とは異なるため、13時にインタビュー開始であれば、対象者には12時に集合するよう伝えるなどの工夫が必要です。

 このように国によって異なる事情や制約があるため、その国をよく理解した上で調査を設計する事が重要になってきます。

パートナー選定をコストだけで選んでいませんか?

実際に海外調査を行うにあたっては、調査を実施してくれるパートナー(調査会社等)に調査を依頼する事になります。依頼するにあたり、費用が安いからといった理由だけでパートナーを選ぶことは危険です。費用はもちろん重要なファクターですが、真の意味で調査を成功させるためにも、パートナーを選定する際には様々な視点を持つ事を強くお薦めいたします。当社では、以下に挙げる3つの事が重要だと考えています。

 ①パートナーが調査意図を正確に把握し、その国の事情を理解した上での提案をしてくれるか
 ②該当商材の調査をパートナーが複数回経験しているか
 ③パートナーがデータの品質基準を持っているか、またその基準が高いか

 その他には、パートナーのメール等へのレスポンスの速さ・正確さなどもスムーズに業務を進めるための確認ポイントになると考えます。

当社が実施した『品質調査』では、それぞれの国の事情を理解しているパートナーを選んだのですが、それでも「17%が月に行った経験がある」という結果になりました。対象者の回答を完全にコントロールすることはできませんが、できるだけこのような回答を減らすために、さらにどのようなことに注意を払うべきなのか、マーケティングにおける海外調査の落とし穴【3】では海外の定量調査(量的に分析するため、数多くの人にインタビューする調査)の調査設計や実施段階における注意点を見ていきたいと思います。

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