社員コラム

マーケティングにおける海外調査の落とし穴【4】

執筆者:日本リサーチセンター  松川 倫子

回答者は本当に条件に合っている?

 本当は対象者条件に合致していない人がアンケートに答えたいあまり偽りの回答をしたり、調査員が対象者条件に合致する人を見つけられず、条件に合わなくてもアンケートに答えてもらってしまったりといった「なりすまし」が海外では日本よりも高い頻度で起こります。オフライン調査で事実確認ができる対象者条件(特定の商品を保有している人等)を設定している場合は、リクルートする際に、対象者の自己申告だけではなく、その商品を実際に保有していることを確認しておく必要があります。

 オンライン調査の場合は、対象者条件に合致しているかを判定する質問の構成を工夫して、偽りの対象者をなるべく排除するようにしましょう。

調査員はきちんと調査内容を把握できている?

 オフライン調査の場合、実際に調査を実施するのは現場の調査員です。調査員が適切な対象者に、適切にインタビューを行わなければ、質の良い調査結果を得ることはできません。そのため、パートナーには的確に調査目的と内容を理解してもらうだけでなく、末端の調査員にもインストラクションやトレーニングを通じて理解を高めてもらう必要があります。調査員インストラクションや調査実施・管理を行う実査チームを自社で有する会社もあれば、外部に委託する会社もありますので、パートナーがどのような組織なのかを把握しておいたほうがよいでしょう。特に外部委託の場合は、伝言ゲームのようになる可能性が高くなりますので、一層の注意が必要です。また、言うまでもなく質問紙は、パートナーをはじめ、調査員や対象者が理解しやすく、答えやすいように作成しなければなりません。

いい加減な回答をしている人はいない?

オフライン調査の場合、海外では孫請けの調査会社がいい加減に調査を実施していたり、アルバイトの調査員が不適切な方法で聴取をしていたりすることがあります。こういったことを防止、摘発するために、パートナーには回答者の一部に対して、調査員が適切にインタビューを実施したかどうか確認するための調査を実施してもらい、調査結果に不正なデータが含まれないよう努めましょう。

 オンライン調査の場合、上述のような調査員による問題は発生しませんが、その代わりに、質問内容を読まずにいい加減に回答してしまう人が含まれてしまうという問題が起こりえます。前回ご紹介した「インド人の17%が月に行った経験がある」という問題はその代表例です。いい加減な回答が含まれる比率は日本よりも海外のほうが高い傾向にあるため、回答にかかった時間や回答内容によって、データをチェックする必要があります。場合によっては、いい加減な回答かどうかを判断するためのトラップ質問を敢えて聞くこともあります。

 マーケティングにおける海外調査の落とし穴【5】では、定性調査(質的な分析調査)における注意点について考えてみたいと思います。

お問い合わせ窓口

株式会社日本リサーチセンター
担当:広報室
お問い合わせ専用Eメール information@nrc.co.jp

関連リンク