第10章 消費者意識と購買行動

[購買行動7] 計画購買と衝動買い

衝動買いを促進するためには、店頭における購買意欲を刺激する工夫が必要。

計画購買と衝動買いの違い
 「計画購買」とは、消費者が購入前にブランドや価格等について充分な検討を重ね、来店前に買うことを決めて購入に臨むことを指します。一方「衝動買い」とは、事前の計画がなく、来店してから衝動的に買いたいという意志が働き、購入することです。商品の販売促進戦略を立てる際、計画購買される商品については消費者の購買プロセスを検討し、各段階に合致した戦略をとることが重要となりますが、衝動買いされる商品については、消費者が購買プロセスに沿った思考をしないため、別の手段を講じなければなりません。

消費財の分類
 消費者が購入する商品を購買習慣に基づいて分析すると、最寄品(もよりひん)、買回品(かいまわりひん)、専門品の三種類に分けることができます。最寄品とは購買頻度が高く、時間をかけず手近で購入できる商品で、日用雑貨や食料品に代表されます。習慣的に購入されるケースが多いために、計画購買型の商品でもありますが、価格や鮮度等によっては衝動買いを引き起こす商品でもあります。買回品は、購入にあたり品質や価格について比較検討を行う商品で、購買頻度は低く、遠方に出かけても手に入れたいという欲求が強い場合が多い商品です。高価格品も多く、計画購買される場合が多いのですが、衣料品などのファッション関連の商品の場合は、衝動買いも多く見られます。専門品とは、消費者が特別の好意を抱く商品群であり、車や貴金属、美術品に代表されます。購買頻度は低く、結果的に高価格のものが多いため、計画的に購買するケースがほとんどです。

衝動買いの促進
 長引く不況で消費者の財布のヒモは堅いとはいえ、価値観の変化により若年層を中心に買回品が衝動買いされるケースが増えています。衝動買いを促すためには、店頭陳列の工夫や店頭での積極的な商品情報の提供等、店頭における購買意欲を刺激するような仕掛けが重要となります。