マーケティング・リサーチに役立つ用語

マーケティング3.0

執筆者:株式会社日本リサーチセンター

人間中心の考え方

 マーケティング3.0とは、人々の志や価値や精神の領域にまで踏み込んで検討する人間中心の考え方である。

近代マーケティングの進化

マーケティング1.0は、モノを売り込む製品中心のマーケティング、マーケティング2.0は、顧客満足を目指す消費者志向のマーケティングであった。近年、ネット社会への移行に伴いビジネス戦略のあり方が大きく変化。消費者は購入する製品やサービスに対して、機能的な充足だけでなく、感情的、精神的な充足を求めるようになった。そのため、顧客や消費者という存在を超えて、マインド、ハート、精神的価値までも含めた存在=人間として捉え展開するマーケティングがマーケティング3.0である。
 誤解がないように補足するとマーケティング3.0も顧客、消費者を満足させることを目指している。ただ、一消費者ではなく、むしろそれ以外のニーズや願望に着目をしようということである。人々が暮している社会、経済、そして地球環境は急激に変化し混乱も生じる。そのような状況にも解決策や希望を提供するのがマーケティング3.0を実践している企業といえる。

マーケティングの概念は、1.0、2.0、3.0と進化してきた。しかし、実際にマーケティング3.0の概念を実践している企業はまだまだ少数である。それどころか、実質的にはマーケティング1.0の考え方でマーケティングを実践している企業の方が多いのではないだろうか。2.0の考え方である顧客志向の浸透で、「消費者を大事にしよう。/消費者の言うこと聞こう。」というスローガンは唱えられても、スローガンだけでは真の顧客像には迫れず、企業の独りよがりに過ぎないことを今一度反芻したい。

お問い合わせ窓口

株式会社日本リサーチセンター
担当:広報室
お問い合わせ専用Eメール information@nrc.co.jp

お問い合わせ