マーケティング・リサーチに役立つ用語

両利きの経営

両利きの経営とは

 両利きの経営とは、ひとつの企業内で、「深化」を担う組織と、「探索」を担う組織という2種類の組織をもち、それぞれに既存事業と新規事業を担わせることで、既存事業への悪影響を無くしつつ、新規事業すなわちイノベーションを起こすための力を社内に取り戻すための経営手法です。提唱者はスタンフォード大学経営大学院のチャールズ A. オライリー教授です。

オライリー教授によると、大企業は確実にもうかる事業をレベルアップさせるだけでなく、たとえ不確実でも成長の可能性がある実験的な事業に力を入れていくべきだとしています。この知の探索と知の深化の掛け算により、新しいサービスが次々と生み出される時代でも生き残っていくことができると主張しています。

両利きの経営が重視される背景

「ある事業で成功した企業が、その事業の改善に特化した結果、市場の急速な変化に対応できなくなる」という現象があります。この現象は「サクセストラップ」と呼ばれ、『イノベーションのジレンマ』など多くの文献で指摘されています。

オライリー教授らが執筆した『両利きの経営』では、サクセストラップにハマった企業の具体例として、衰退するカメラ市場から脱却できなかったコダックが紹介されています。その対比として、化粧品など新規事業に挑戦して成長した富士フイルムが紹介されており、新規事業の開拓が企業の継続的な発展に必須であることが示されています。

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