第3章 市場戦略と市場構造

[注目市場1] シルバーマーケット

高齢化の進展とともに、旺盛な消費を行う高齢者が増えており、新たな需要が期待される。

シルバーマーケットとは
 高齢化の進展とともに、医療保険や介護問題など社会的な課題が深刻になる反面、旺盛な消費を行う高齢者が拡大しており、新たな需要が生まれています。今後しばらくは拡大することが確実であり、各企業がその可能性に期待を寄せています。

シルバー市場の特徴
 単に人口が拡大していることのみで注目されているのではなく、質的な変化がその可能性を新たなものとしています。例えば、健康で元気な高齢者が増えていることや、第2の人生をもっと楽しもうとする価値観の拡大から、趣味や遊びの領域で積極的な消費態度を取る人たちが増加しています。
 実際にウォーキング、食べ歩き、スポーツなどを行う人や、自動車免許保有率の増加もあってドライブを楽しむ人が増えています。また、一層の長寿化をうけて、女性を中心に健康への関心が高くなっており、それに関連した医療、食、休養といった領域でも新たな市場が生まれています。

シルバー向け商品
 すでに各企業からシルバーを対象にした商品がたくさん出されています。「シルバー向け住宅」は診療施設やコミュニティー施設が設けられた高齢者専用の集合住宅で、介護サービスに加えて趣味の集まりなどの生きがいづくりでも配慮がなされています。特に首都圏では高額なシニア住宅の建設が相次いでいます。
 旅行業界では「シルバー向けツアー」が盛んに開発されており、富裕層を狙った豪華客船での世界一周クルーズや「四国八十八か所巡りツアー」などといったテーマ旅行がシルバー層の人気を集めています。また、高齢者の持つ資産をフロー化するための証券化商品も注目を集めています。