第6章 流通政策と関連法規

[流通の概念3] 業種と業態

専門店が減少し、幅広いカテゴリーの商品を扱う店が増加している。

業種と業態の違い
 業種とは、取扱商品の種類で小売業を分類したものです。例えば、八百屋や酒販店、電器店、薬局などが該当しますが、日本に古くからある小売形態であるため、近年の消費者ニーズとのズレや後継者難などもあって、どの業種も商店数は減少傾向にあります。
 これに対して、業態は欧米から入ってきた新しい概念で、販売方法や経営方針などにより、小売業を分類するものです。スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ディスカウントストア・・・などが、業態による分類です。
 コンビニエンスストアは、絞り込んだ品揃え、年中無休、深夜営業などの利便性を訴求した業態で、ディスカウントストアは、低価格を徹底的に訴求した業態です。

業態開発の可能性
 業態は、その時代に即した消費者ニーズが具体的な形やシステムを伴って市場に登場したものです。その意味で、インターネットなどのデジタルネットワークの進展と今後の消費者ニーズやライフスタイルの変化によって、まったく新しい業態の誕生もじゅうぶん予想されます。