第8章 販売促進活動と売り場づくり

[コラム ー販促こぼれ話ー 情報化時代、販促に威力を発揮する「口コミ」]

 多種多様にある販促手段の中でも、最も原始的なパーソン・トゥ・パーソンのコミュニケーションである「口コミ」が、販売促進では意外にも大きな威力を発揮します。
 携帯電話やメール、インターネットの普及で、現代は情報の流通スピードが非常に速い時代です。個人の発信した情報が、ネットワークを介して無数の人にあっという間に伝播します。こうした情報交換は、日本国中(さらには全世界)の至る所で絶えず行われており、個々のネットを合わせれば、マスメディアに負けないくらいのパワーになるでしょう。
 一般的に消費者は、その商品やサービスの購買経験を持つ人の意見を求めたがるものなので、口コミ情報は企業側が発信する情報よりも信頼されることが多いといえます。その上、情報機器の普及により、口コミ情報の伝播力には計り知れないものがあります。いまや携帯情報端末を武器にした口コミによる情報伝達を見過ごすことはできません。
 ますます高度に情報手段が進化する中、テレビや新聞広告といったマス媒体よりも、口コミによる情報伝達が大きな流れになってくるのではないでしょうか。
 ところで、販促手段として口コミを活用する場合、自然に情報が伝播することを期待していても意味がありません。訴求したい対象に向けて、意図的に情報を提供していくことが重要なのです。そのためには、まず口コミの発信源となる対象を明確に設定することです。そして、その対象に効果的に情報を提供することがポイントとなります。
 販促手段として口コミを重視する企業では、自社のホームページで消費者グループを形成するなど、消費者間の口コミ効果を誘発する仕組みを独自に作っているところが増えつつあります。