NR | YouGovインフォメーション

企業への行政指導に対しての消費者の反応は?
~楽天の「送料無料化問題」についての消費者評価の事例~

公表日 2020年04月03日

  •  2019年より、日本リサーチセンター(本社:東京都、代表取締役社長:鈴木稲博)は、英国YouGov社と提携し、企業ブランド・商品ブランドのシンジケートサービスBrandIndexの日本事業を担当しています。BrandIndexは、消費者のブランド評価の調査を365日デイリーで実施し、ブランドのプレゼンスやヘルスについて継続的・長期的なモニタリングを可能にするソリューションツールです。

  •  
  •  BrandIndexのデータより、マーケットトレンド情報をお届けします。今回は、楽天の「送料無料化問題」についての消費者の評価の事例をご紹介いたします。ぜひ最後までお読みください。

  •   
  •  企業のコンプライアンス(法令順守)に対して、社会からの目が厳しくなっている昨今ですが、特定の企業に対して行政からの指導が入るという事実自体が、一般消費者からネガティブに捉えられてしまうといったケースがあります。日本最大級のインターネット・ショッピングモール「楽天市場」の運営会社である「楽天」に対する消費者評価からそのことが確認できます。
     2020年1月22日に、楽天市場への出店者である「楽天ユニオン」という任意団体が、「一定額以上の購入者への送料を一律無料にする楽天の規約変更が独占禁止法に抵触する」として公正取引委員会に調査を求める署名を提出し、その話題がニュースで取り上げられました。それを受けて、公正取引委員会は2月10日に「優越的な立場を利用して出店者に不当な要求をした独占禁止法違反の疑いがある」として立ち入り検査を実施、さらには2月28日には緊急停止命令の申し立てを行いました。
     この申し立てのあとも楽天は「法令上の問題はない」として予定どおり取り組みを始める姿勢を示していましたが、「強行すると評判が悪くなる」などといった声も受け、3月6日に一律で無料化を求める方針を撤回しました。

  •  3rakuten.jpg
  •  この間の「楽天」ブランドに対する消費者の反応(negativeなバズのスコア)を、日本を代表する主なプラットフォーマー(Amazon/Yahoo/Google)との比較でみると、1月22日以前は拮抗していた各社のスコアが、署名提出の1月22日以降楽天のみ上昇を続け、ピーク時の3月9日には競合と10ポイント以上も差がつくまでになりました。
     3月6日の方針変更を受けて、ようやく楽天のnegativeなバズのスコアも下がりはじめ、事態が落ち着く傾向を示してはおりますが、騒動前の水準に戻るにはもう少し時間がかかりそうです。企業に対する行政指導の影響は、少なからず消費者にもインパクトを与えることが示唆されます。

  •  
  • Rakutenの"バズ(negative)"※1: 3.5%(1月22日)からピーク時には15.1%(3月9日)に上昇(11.6ポイントアップ)

  • (※1:この2週間以内に何か「悪い評判」を聞いたブランドとして、上記ブランドのいずれかが回答された割合)

お問い合わせ窓口

株式会社 日本リサーチセンター
YG事業グループ
お問い合わせ専用メール 
nrc_yougov@nrc.co.jp

お問い合わせ