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ブランドパフォーマンスの変化を見える化 
~シャープのマスク発売、よみうりランドの例~

公表日 2021年02月08日

  •  日本リサーチセンターは、2019年より、YouGov社(本社:英国・ロンドン)が保有する、ブランド・トラッキングのための測定ツール「YouGov BrandIndex」および、消費者セグメンテーションとメディア・プラニングのための分析ツール「YouGov Profiles」の日本事業を担当しています。

  •  ここでは消費者レベルでのブランド評価のソリューション・ツール「BrandIndex」について、ブランド・コンサルタントの水野与志朗さんと、日本リサーチセンター営業推進部の須貝育宏の対談でご紹介します。

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  • コロナ禍の環境変化とバズの相関 <シャープのマスク発売の例>

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  • 須貝 BrandIndexの16項目の関係を見るためにいくつかの例をあげてみたいと思います。最初は、2020年のコロナ禍で、マスク不足が問題となった時期のシャープにマスク発売に関するバズの動きです。
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  • 須貝 シャープ(グラフ赤線)は、家電メーカーの中で唯一マスク発売に踏み切った会社ですが、バズの動きを比較対照するため、同業界の東芝(緑線)、NEC(青線)、日立(黄線)の3社を加えた4社で見ていきます。2020年2月末に、シャープは政府の要請を受けて、マスクを生産することを発表、3月下旬から生産開始、3月末から出荷開始、4月下旬にあまりにも話題となったために同社のサーバーがパンクするという事態になりました。

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  •  このような話題は、さまざまなメディアによって取り上げられました。この間のバズの動きを見ると、シャープ以外の3社には大きな変化は見られませんが、シャープに関してのみ、上記のエポックのたびに、バズが上昇していることが読み取れます。ゴールデンウィーク明けごろから下降し始め、次第に他の3社に近づいているという変化を見せています。メディアによる話題化が、消費者間で大きく拡散していった例です。

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  •  BrandIndexでは、下表のような3つの指標グループの16項目を自由に選んでブランドに対する消費者の回答を見ていくことができます。この事例では「バズ」という項目で見たものです。これ以外でも、目的に応じて項目を選択したり、閲覧期間を変更して見ていくことができるようになっています。

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  • 水野 私が興味深く感じたのは、広告を打ったときやパブリシティを行ったときに、それが購入意向などにつながっているのかなどが見えることです。項目との相関があるのか、つまり広告をしていることに意味があるのかが見える化されているので、とても理解しやすいいものになっていると思います。
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  • 須貝 このマスクの例は、電機メーカーがまったく別の商品を打ち出したというものですが......。

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  • 水野 これは、広告というより、マスコミの展開力でメディアにどう取り上げられたかというパブリシティになるかと思います。パブリシティにより話題性が高まったということが、バズの山の高さで見て取れますね。とても肌感覚に合うデータですね。

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    広告認知、バズ、購入意向でブランド評価の変化を見る <よみうりランドの例>

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  • 須貝 次に、広告認知とバズ、購入意向の関係を、テーマパークであるよみうりランドの例で見てみましょう。 

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  • 須貝 全体的な印象としては、バズ(グラフ青線)と購入・訪園検討(緑線)のグラフは相関がありますが、広告認知(オレンジ線)と購入・訪園検討には相関が見られないような気がします。広告を見て「行ってみたい」というより、口コミやSNSでの話題によって購入・訪園意欲をそそられることが多いのではないかと予測されます。緊急事態宣言の発令により、世の中の消費意欲が低下するとバズも低下し、購入・訪園検討も下がり、屋外アトラクション再開が報じられると、バズも購入・訪園検討も上昇しています。

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  • 水野 これは、一見すると広告認知と、購入検討には関係がないように見えますが、広告を打った影響が、時間をおいて購入検討に表れているようにも読み取れます。2020年の3月に出した広告の効果が4月になってから出ているような気もします。相関性はないように見えますが、因果関係があるということですね。テーマパークというのは消費財のように、広告を見てすぐ買うという商品ではありません。しばらく間をおいてから、いいタイミングに行動を起こすということもあるでしょう。
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  • 須貝 消費者が広告出されたメッセージを記憶していて、すぐに購入にはつながらなくても時間をおいて効いてくるという解釈もできるということですね。

 

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