NRCレポート

日本リサーチセンター（本社：東京都墨田区、代表取締役社長：杉原 領治）は、1960年に設立されたマーケティングリサーチの会社で、民間企業や官公庁、大学等からの依頼を受け、各種の調査研究を行なっています。

また、世界各国に調査拠点を置く「GIA」と「WIN」※の日本で唯一のメンバーとしてグローバルネットワークに参加し、海外調査も数多く実施しております。

　WIN（Worldwide Independent Network of Market Research）

弊社は2022年5月から「NRC デイリー・トラッキング」調査を実施し、毎日同じ質問項目で全国の人々の行動や感情を分析しています。

（全国20～69才男女対象で、1日平均150人回収のwebアンケート）

今回のNRCレポートは、人々の不安の月別推移について前回公開した❶全体に続きまして、❷年代別の結果紹介となります。

（期間は調査開始した2022年5月から今年4月まで、月別スコアは日データを週別に合算後のその月の週平均です）

日々のデータを月次に集約していますので、毎日の動きをとらえるのではなく、月ごとの大きな動きの確認となります。

なお不安項目は全部で16ありますが、年代別はそのうち7項目を抜粋しています。

前回のNRCレポートはこちら　↓

【NRC デイリー・トラッキング】不安率の月別推移（2022年5月～2024年4月）❶全体

今、不安に思っていること（年代別）

「今あなたが不安に思っていること」16項目のうち、「老後・年金」「景気・経済」「国際情勢・戦争・紛争」「治安・犯罪・詐欺」「台風・洪水」「地震」「新型コロナウイルス」の7つについて、年代別にみた月別の不安推移を紹介します。

調査は毎日行っていましたが、ここでは週次に合算してから月の平均比率をグラフにしています。

2022年5月から2024年4月の2年間、各年代層で不安率がどのように変化しているかをグラフで確認していきましょう。

＜老後・年金＞

・年齢が上がるほど不安率が高くなっており、平均でみると60代と20代では30ポイントほどの差があります。

・月による変動が多少ありますが、どの年代もそれほど大きい変化ではないようです。　　

＜景気・経済＞

・年齢差はあまり大きくないものの、20代の不安率が低い傾向です。

・年平均でみると、どの年代も2023年から2024年は減少しており、特に50代と60代は2022年からの減少も目立ちます。

＜国際情勢・戦争・紛争＞

・高齢層ほど不安率が高い傾向です。

・この2年間はどの年代も減少傾向で、60代では2022年5月は46%→2024年4月は29%へ、20代では23%→15%まで落ちています。

・なお、ハマスがイスラエルへ大規模攻撃を行いイスラエルが報復した2023年10月には、どの年代も不安率の上昇がみられました。　

＜治安・犯罪・詐欺＞

・年代差については、20代の不安率が低めです。

・どの年代も2023年2月に上昇していますが、この頃「ルフィ広域強盗事件」のニュースが多く流れていたことが影響しているのかもしれません。　

＜台風・洪水＞

・高齢層ほど不安率が高く、若年層は低い傾向です。

・どの年代も2022年は9月が最高値で、2023年は6月～8月が高いなど、台風の到来時期に不安率が上昇したのがわかります。

＜地震＞

・高齢層ほど高く、若年層は低い傾向です。

・今年元旦に起きた能登半島地震で、2024年1月は全年代で不安率が急上昇しました。その後4月になってもまだ下がり切っていないようです。

＜新型コロナウイルス＞

・2022年→2023年→2024年と不安率は低下してきています。

・一番高い60代で年平均をみると、2022年47%→2023年27%→2024年16%と約30ポイントも減少しました。

・2022年では年齢差も大きかったのですが、2024年4月は比率が減少したことで年齢差がなくなっています。