NRCレポート
ーフェイクニュースの見抜き方ー
人々は情報が正しいかどうかをどう確かめているのか?
【2025年メディアの信頼性自主調査】
公表日 2025年07月01日
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日本リサーチセンターは、1960年に設立されたマーケティングリサーチの会社で、民間企業や官公庁、大学等からの依頼を受け、各種の調査研究を行っています。
また、世界各国に調査拠点を置く「GIA」と「WIN」※の日本で唯一のメンバーとしてグローバルネットワークに参加し、海外調査も数多く実施しております。
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※GIA (Gallup International Association)
WIN (Worldwide Independent Network of Market Research)
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昨今、国内外問わず、さまざまな発信者からのさまざまな情報操作が社会問題として大きく取り沙汰されています。
弊社では、この度、人々のメディアへの信頼性、情報の信頼性確認行動の実態を捉えるべく、2025年4月に全国15~79歳男女1200人に対する自主調査を実施しました。
調査結果の中から、今回は接触情報が正しいかの確認方法についてご紹介します。
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発信元確認、複数情報源での確認が上位
"メディア発信情報の確認 → 受信者の反応確認"の2段構造
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ニュースや情報を見聞きした際の信頼性(フェイクかどうか)の確認方法としては、「発信元(どの機関/誰が発信した情報か)を確かめる」が40.2%で最も多く、「複数の情報源やほかの情報源も確認する」37.8%がそれに続き、メディアからの発信情報をもとにした確認行動が4割前後で上位でした。
次いで、「友人・知人・家族に聞いてみる」(27.3%)、「ほかの人の意見や反応(ツイートなど)をみる」(24.7%)といった受信者の反応の確認行動が2割台で続きます。
一方で、「AIに聞いてみる」(2.1%)、「ファクトチェックツール・チェックサイトを利用する」(0.8%)といったツールを使った確認行動は、現状少数にとどまりました。
また、3割弱(28.9%)の人は「特に気にしていない・何もしていない」との回答でした。
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確認行動が活発な若年層
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男女別で見ると、男女ともに上位2位は同じですが、最上位の「発信元(どの機関/誰が発信した情報か)を確かめる」は男性のほうが女性より実施率が高い傾向です。また、「友人・知人・家族に聞いてみる」は女性の実施率が男性より高くなっています。
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年代別を俯瞰して見ると、「特に気にしていない・何もしていない」は、30代以下では2割程度であるのに対し、40代から60代は3割前後、70代は4割を超えています。若年層は全般的に確認行動が活発な傾向が見られます。中でも、「ほかの人の意見や反応(ツイートなど)をみる」という受信者の反応確認行動は年代差が顕著で、40代を境に若い人ほど高く、年代が上がるほど低くなっています。
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また20代・30代では、 「発信元(どの機関/誰が発信した情報か)を確かめる」が5割を超えて最上位ですが、次が「ほかの人の意見や反応(ツイートなど)をみる」が、「複数の情報源やほかの情報源も確認する」と同程度で上位にきています。
さらに20代では、「引用された情報の場合、元になった一次情報を確かめる」、「その情報の「根拠」は何なのかを調べる」も2割超と多く、他の年代に比べて確認行動が多様のようです。
15~19才は、 「ほかの人の意見や反応(ツイートなど)をみる」が48.6%で最も多く、次いで「友人・知人・家族に聞いてみる」が40.0%となっており、周囲の人の意見・反応に依存する傾向が見られました。
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調査概要
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調査方法
- NOS(日本リサーチセンター・オムニバス・サーベイ)
- 調査員による個別訪問留置調査
- 調査対象
- 全国の15〜79才男女個人 1,200人
- エリア・都市規模と性年代構成は、日本の人口構成比に合致するよう割付
- 調査期間
- 2025年4月11日(金)~4月24日(木)
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※本調査は、NOS(日本リサーチセンターオムニバス調査)を利用しています。
アンケート登録パネルを使ってインターネットで簡単に情報収集できる時代になりましたが、NOSでは50年以上にわたって「調査員を使った訪問留置」「パネルモニターではない毎回抽出方式」で調査を継続しております。
日本全国の15~79才男女個人1,200人について、地域・都市規模と性年代を日本の人口構成に合うように回収していますので、全体比率は地域や年代等の偏りがない結果としてご覧になることができます。
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株式会社 日本リサーチセンター
担当:営業企画本部 PJサポートチーム