NRCレポート
WINワールドワイド・サーベイ
~AIに関する世論調査~
WIN40カ国・地域世論調査
WIN 国際世論調査公表日 2025年09月03日
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株式会社日本リサーチセンターが加盟しているWIN(Worldwide Independent Network of Market Research)では、2024年12月から2025年2月にかけて世界40カ国・地域の18歳以上の個人を対象に、国際世論調査「WINワールドワイド・サーベイ2025」を実施し、「WINワールドAIインデックス」を作成しました。
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これは、40カ国・地域の人々が人工知能(AI)の台頭をどのように認識し、理解し、準備しているかを把握するグローバルな取り組みです。
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インデックスは、AIに対する利用状況や信頼度、受容度などをグローバルに比較できるもので、WINが34,500人以上の回答者データに基づき開発しました。
このたび、その結果がWINのウェブサイトにおいて公開されましたので、弊社でも日本の結果を中心にまとめたものをここに発表いたします。
ご高覧いただければ幸いです。
- WIN World AI Index のwebサイト ↓
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日本の調査結果の要約
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・日本のAI使用経験率は35%で、40ヵ国・地域の中で下から2番目(39位)でした。世界全体(62%)より27ポイントも下回っており、日本ではAIの利用がまだ進んでいないことがうかがえます。
・AIインデックスについては、日本は49.1で世界全体(51.6)をやや下回るスコアでしたが、順位では22位となり、利用頻度に比べると順位は中位に上がっています。
・利用状況は世界的にみてかなり低い結果でしたが、AIに対する評価はそれほど低いレベルではないようです。
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AI利用頻度
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<国・地域のランキング>
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・日常生活において、AI(人工知能)を元にした技術(バーチャル・アシスタント、パーソナル・レコメンド、業務用AIアプリなど)をどのくらいの頻度で利用するかを質問したものです。
・以下のグラフでは、「一度も使ったことはない」を除いた選択肢の合計、つまり「まれに」+「時々」+「よく」+「いつも/毎日」使うと回答した人の計=使用経験率の多い順に、40の国・地域を並べ直しました。
・使用経験率はインドが94%で最も高く、次いで、中国、メキシコ、マレーシア、香港、モロッコと続きます。
・反対に、パキスタン、日本、コートジボワール、インドネシア、オランダ、トルコは使用経験率が5割未満と低いです。
・日本の使用経験率は35%、つまり「一度も使ったことがない」人が65%ありました。これは40ヵ国・地域の中で、下から2番目の39位という低さです。世界的にみても、日本はAIの利用が進んでいないことがわかります。
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<世界全体・各地域と日本>
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・日本の結果について、世界全体と各地域との比較をみてみましょう。
・世界全体では使用経験率は62%でしたが、日本(35%)はこれよりも27ポイントも低いです。
・しかし年代差が大きく、日本では若年になるほど使用経験率が高くなっています。65~79才では18%と低いですが、18~24才では66%まで上がり、その差は3倍超もあります。18~24才の若年層については、AI使用経験率は世界全体をやや上回っていました。
・各地域の全体との比較でみると、日本の18~24才は、北米・中南米(70%)には及びませんが、アジア・太平洋(62%)、欧州(59%)、中東・アフリカ(55%)を上回りました。
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WIN ワールドAIインデックスとは
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・世界38の国・地域の調査結果から、WINが開発したグローバルなAI指標です。
(注:パキスタンとスロバキアは欠損値が多かったため、AIインデックスの算出から除外されています)
・以下の7つから構成される合成指標(7指標の平均)で、いずれも0~100点にスコア化されています。
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WIN ワールドAIインデックス
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<国・地域のランキング>
- ・AIインデックスは、「AI Usage:利用度」「AI Trust:信頼度」「AI Social Acceptance:社会的受容度」「AI Efficiency:効率度」「AI Usability:ユーザビリティ」「AI Comfort:安心度」「AI Interest:関心度」の7つから合成されたスコアです。
・以下では、38の国・地域をこのスコアの高い順に並べ直しました。
・AIインデックスが最も高かったのは中国(70.4)で、次いでインド(69.1)、メキシコ(62.0)、マレーシア(61.3)、香港(59.6)と続きます。これらは先にみた利用頻度でも上位5位でしたので、利用頻度、AIインデックスともに高い国・地域と言えます。
・ベトナム(59.2)はAIインデックスが6位と上位ですが、利用頻度をみると25位と高くはありません。また、インドネシアはAIインデックスが10位に対し、利用頻度は37位と低く、実際の利用は多くないものの、AIに対する評価はポジティブのようです。
・同様に、フィリピン(インデックス11位/利用頻度26位)、韓国(12位/22位)と日本(22位/39位)も利用頻度の順位よりAIインデックスの方が高い傾向です。
・反対に、スウェーデンはAIインデックスが34位に対し、利用頻度が23位と順位に差があります。同じくアメリカ(23位/13位)、アルゼンチン(18位/9位)、エクアドル(16位/7位)は、利用頻度に比べてAIインデックスの順位が低めです。
・日本のAIインデックスは、アメリカと同スコアの49.1で、順位では38ヵ国中22位でした。利用頻度は39位と最下位に近い順位でしたが、AIインデックスでは中位に上がっています。日本は世界的にみてもAI利用が浸透していませんが、AIに対する態度評価は中位レベルと言えるようです。
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<世界全体・各地域と日本>
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・日本の結果について、世界全体と各地域との比較をみてみましょう。
・38ヵ国の世界全体ではAIインデックスは51.6で、日本全体(49.1)はこれよりもやや低いスコアでした。
・しかし、年代別でみると若年層ではスコアが高く、18~24才(54.9)、25~34才(53.3)では世界全体を上回っています。
・各地域と比較すると、日本の18~24才、25~34才は、アジア・太平洋(58.2)には及びませんが、それ以外の地域より高いスコアでした。
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7つの各指標
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<世界全体・各地域と日本>
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・AIインデックスを構成する7つのサブ指標についてもみてみましょう。
・38ヵ国の世界全体と比べると、日本は「利用度」がかなり低いのが目立っていますが、「社会的受容度」「効率度」「安心度」は上回っています。
・「利用度」は、年代別にみて最も高い18~24才の若年層でも世界全体より低いスコアです。一方、「社会的受容度」と「安心度」はいずれの年代層でも世界全体より高い評価でした。
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調査概要
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調査方法
インターネット調査、電話調査、面接調査
調査対象
世界40カ国・地域
有効回収数
34,514人(サンプル)
調査期間
2024年12月~2025年2月
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「NRCサイバーパネル」について
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日本の調査は、日本リサーチセンターの自社パネル「サイバーパネル」を利用しています。
サイバーパネルでのアンケートに参加されたい方は、以下の「モニター募集ページ」をご覧になってください。
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株式会社 日本リサーチセンター
担当:営業企画本部 PJサポートチーム