NRCレポート
【NRC デイリートラッキング】
<2022年5月~2025年12月>
国内政治と国際情勢に対する不安
公表日 2026年02月17日
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日本リサーチセンターは、1960年に設立されたマーケティングリサーチの会社で、民間企業や官公庁、大学等からの依頼を受け、各種の調査研究を行っています。
また、世界各国に調査拠点を置く「GIA」と「WIN」※の日本で唯一のメンバーとしてグローバルネットワークに参加し、海外調査も数多く実施しております。
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- ※GIA(Gallup International Association)
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WIN(Worldwide Independent Network of Market Research)
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NRCデイリートラッキングは、2022年5月から毎日同じ質問項目でweb調査を行い、人々の行動や感情を分析しています。
(全国20~69才男女対象で、1日平均150人回収のwebアンケート)
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今回は、国内政治と国際情勢に対する不安について、2022年5月から2025年12月までの3年半の動きを紹介いたします。
現在は2026年2月で、直近で第51回衆議院議員総選挙(2/8)の結果が出たばかりですが、本レポートは2025年までの振り返りとして見ていただけると幸いです。
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<不安率の週別推移>
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- ・「今、あなたが『不安に思っていること』は何でしょうか?『特に不安や心配に思っていること』があればお知らせください。(いくつでも)」と質問した時系列の結果です。提示した17の選択肢のうち「国内政治」と「国際情勢・戦争・紛争」に注目します。
・調査は毎日行っていましたが、ここでは20~69才全体の日別結果を週ごとに合算して集計しています。
・調査開始した2022年5月から2025年12月末までの約3年半について、2つの不安率の動きを折れ線グラフにしました。
※「2025/12/3週」とは、12/3(水曜)から12/10(水曜)までの1週間を示します。その1週間の日別平均のようなものだとお考えください。
※またグラフ内には、国内政治や国際情勢関連で話題となった時事トレンドをいくつかメモいれしました。これらが不安率に直接影響しているかはわかりませんが、当時のニュースや世情を知るうえで参考になるはずです。
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「国際情勢・戦争・紛争」の不安率
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・調査開始の2022年5月時点は、国内政治への不安率は17%前後であったのに対し、「国際情勢」は36%前後と約2倍のスコアを示していました。これは同年2月に発生したロシアによるウクライナ侵攻の衝撃が大きく、5月はその影響がまだ強く残っていたためと推察されます。・この約3年半では「国際情勢」への不安が最大となったのは、調査開始直後の2022/5/17週(38%)でした。侵攻直後の3月~4月に調査を行っていれば、さらに高いスコアを記録していた可能性があります。
・その後、2023年2月までは3割を超える週もありましたが、3月以降は2割台で推移し、9月には20%まで低下しました。ロシア・ウクライナ情勢の長期化に伴い、事態が常態化したことで人々の関心が次第に落ち着き、不安率も減少傾向になったと考えられます。
・しかし、2023年10月にパレスチナ・イスラエル戦争(ガザ危機)が勃発すると、不安率がふたたび急上昇しました(9/26週~10/3週は21%でしたが、10/10週29%、10/17週30%へ増加)。
・その後は、両戦争ともに終結の兆しがみえないまま、2024年は18~27%、2025年は19~28%の範囲で推移しています。
・なお、2024年10月1日のイスラエルによるレバノン侵攻、2025年3月の米国による関税措置の発動、2025年6月のイラン・イスラエル戦争といった重大な局面において、不安率が27%~28%と敏感に反応する動きがみられました。
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「国内政治」の不安率 -
・この3年半の最大値と最小値の差(レンジ)をみると、「国内政治」(10ポイント)は「国際情勢」(20ポイント)よりも不安率の変化が小さいことがわかります。
・しかし、変動幅が小さくても週別の変化は多く、アップダウンが頻繁にみられています。
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・調査開始の2022年5月時点では、「国内政治」への不安率は1割台とさほど高くはなかったのですが、同年7月8日の安倍元首相の銃撃事件、7月10日の第26回参議院選挙日に該当する2022/7/5週では2割を超えて24%まで上昇しました。
・2023年は12月に自民党の裏金疑惑のニュースが報じられ、12月14日には安倍派閣僚4人が一斉辞任しましたが、同時期の12/12週は不安率が25%まで増加していました。
・2024年は10月に石破茂氏が内閣総理大臣になり、10月27日には第50回衆議院選挙が実施され、与党が過半数を割りました。この頃の不安率をみると、10/23週が26%と最大値に近いスコアでした。・2025年7月20日の第27回参議院選挙では与党が過半数割れの結果でしたが、同時期の7/16週の不安率は26%に上がり、翌7/23週では27%の最大値となりました。
・また、2025年10月11日に公明党が自民党との連立を離脱した時、調査結果でみれば10/8週も27%まで上がっています。
・以上のように、国政選挙の実施や政局の大きな動きで、人々の政治への不安率も上昇する傾向がみられるようです。・2022年5月から2023年12月までは「国際情勢」への不安率が「国内政治」を上回る数値でしたが、2023年12月中旬から両者の差が小さくなり、2024年9月以降では「国内政治」の方が上回る週もでてきました。
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・さらに2025年になると、7/23週は国内政治27%>国際情勢22%、10/8週は27%>21%と、国内政治の方が不安率が上回っています。第27回参院選の結果、自民・公明の連立与党が過半数を大きく割り込む結果となり、その後、自民・公明の26年間の連立体制が解消されたことは、国外よりも国内に向けて人々の関心が集まり、政治不安が上昇する大きな出来事だったと言えそうです。 -
※画像をクリックすると大きくなります
<不安に関しての意見(自由回答より)>-
- ・「『今、あなたが気になっていること』について、差しつかえない範囲でお教えください。(ご自由に)」と質問して、自由に回答してもらった意見です。
・不安率が上昇した時期に注目して、その時に出ていた主な意見を紹介していきます。
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2022年7月
-2022年7月8日:第26回参議院議員通常選挙の応援演説中に安倍晋三元首相が銃撃され、逝去
ー7月10日:第26回参院選が投開票され、自民党が改選過半数を上回る議席を獲得し勝利
・「国内政治」に不安ありと回答した人の中から、上記ニュースに関連した意見をランダムに抽出してみました。

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2022年10月
- ー2022年9月30日:ロシアがウクライナ4州の一方的な併合を宣言
ー10月8日:クリミア大橋で大規模な爆発が発生(後にウクライナ側が関与を認める)
ー10月10日:ロシア軍がキーウなどウクライナ国内へ80発以上のミサイル攻撃を展開
・以上はロシア・ウクライナ戦争に関するニュースですが、「国際情勢」に不安があると回答した人の中から、このニュースに関連した意見をみてみました。
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2023年10月 -
ー2023年10月7日:パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム主義組織ハマスがイスラエルに奇襲攻撃
ーこれを機にイスラエル軍によるガザ地区への軍事侵攻が開始され、中東情勢は泥沼化の様相を呈した
・「国際情勢」に不安があると回答した人の中から、上記ニュースに関連した意見をみてみました。

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2023年12月
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ー2023年12月14日:自民党派閥の政治資金問題(裏金問題)を受け、安倍派の閣僚4人が一斉に辞任
・以下は「国内政治」に不安があると回答した人のうち、上記ニュースに関連した意見を抜き出したものです。

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2024年9月~10月
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ー2024年09月27日:自民党総裁選で石破茂氏が総裁に選出され、10月1日:第102代内閣総理大臣に就任
・以下は「国内政治」に不安があると回答した人のうち、上記ニュースに関連した意見を抜き出したものです。

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2024年10月
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ー2024年10月27日:第50回衆議院議員総選挙で、自民・公明の与党が過半数を割り込む結果となる
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・以下は「国内政治」に不安があると回答した人のうち、上記ニュースに関連した意見を抜き出したものです。
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2024年11月
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ー2024年11月5日:アメリカ大統領選挙でドナルド・トランプ氏が勝利し、4年ぶりの政権奪還により「アメリカ・ファースト」への回帰が決定的となった
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・以下は「国際情勢」に不安があると回答した人のうち、上記ニュースに関連した意見を抜き出したものです。
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2025年7月
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ー2025年7月20日:第27回参議院議員通常選挙で、与党が参議院でも過半数を失い、衆参両院で少数与党となる
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・以下は「国内政治」に不安があると回答した人のうち、上記ニュースに関連した意見を抜き出したものです。
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2025年10月
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ー2025年10月4日:高市早苗氏が自民党総裁に選出
ー10月10日:公明党が連立政権からの離脱を表明し、26年間続いた自公連立が解消
ー10月21日:高市早苗氏が、憲政史上初の女性内閣総理大臣に就任
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・以下は「国内政治」に不安があると回答した人のうち、上記ニュースに関連した意見を抜き出したものです。
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NRCデイリートラッキング 調査概要
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- 調査目的:人々の行動と感情について日々の変化をトラッキングする
- 調査方法:web調査
- 調査対象者:NRCサイバーパネル会員 全国20~69才男女
- 毎日(平均)約150人回収
- 日本の人口構成比(エリア、男女、年代)に合わせてウエイト集計
- 調査期間:2022年5月17日からデイリーでトラッキング調査を実施中
- 調査機関:日本リサーチセンター(NRC)
- 調査項目:昨日行ったこと、昨日の感情と気分満足 など
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- ※今回は、2022年5月~2025年12月まで、「国内政治」と「国際情勢」の不安率について週別推移を分析しました
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「NRCサイバーパネル」について
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本調査は、日本リサーチセンターの自社パネル「サイバーパネル」を利用しています。
サイバーパネルでのアンケートに参加されたい方は、以下の「モニター募集ページ」をご覧になってください。
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