NR | YouGovインフォメーション

　2019年より、日本リサーチセンター（本社：東京都、代表取締役社長：鈴木稲博）は、英国YouGov社と提携し、企業ブランド・商品ブランドのシンジケートサービスBrandIndexの日本事業を担当しています。BrandIndexは、消費者のブランド評価の調査を365日デイリーで実施し、ブランドのプレゼンスやヘルスについて継続的・長期的なモニタリングを可能にするソリューションツールです。

　BrandIndexのデータより、マーケットトレンド情報をお届けします。今回は、ステイホーム期間中の「有料の動画配信サービス」についての消費者評価の事例をご紹介いたします。ぜひ最後までお読みください。

（１） 「有料の動画配信サービス」のバズの変化・増加理由

　新型コロナウイルス感染症による影響で在宅時間が増え、「動画配信サービス」の利用機会が増加してきている中、今回は「有料動画配信サービス」において、ステイホーム期間における「バズ」の変化を分析しました。

（分析対象期間：2020年1月16日～7月15日）
（バズ：この2週間以内に聞いたニュース、広告、友人/家族等からの評判）

　【バズの動向】　Amazon Prime Video（青線）、Netflix（赤線）、Hulu（緑線）

　全体を通してバズの量はAmazon Prime Video（青線）が最も高く、Netflix（赤線）、Hulu（緑線）が続きます。Netflixは4月下旬から5月上旬にバズが大幅に増加（グラフの赤色の丸囲みを参照）、Huluも6月中旬にバズが急増しています（グラフの緑色の丸囲みを参照）。

　これらは、Netflixではオリジナルコンテンツである『愛の不時着』『梨泰院クラス』をはじめとする韓国ドラマが話題になり、Huluでは独占配信している人気コンテンツ『Nizi Project』の一挙無料配信の発表時期と重なっていることから、新型コロナウイルス感染症による巣ごもり需要を獲得したものと見られます。

　（2）「有料の動画配信サービス」の今後の動向
　NetflixとHuluのバズは、広告認知と連動が見られ（下記※1を参照）、有料動画サービスにおいては、オリジナルコンテンツの配信のタイミングが大きな注目ポイントになっているようである。全国緊急事態宣言の解除後、バズは落ち着きをみせるものの、引き続きステイホーム傾向であることから、在宅時間の娯楽として動画配信サービスの需要は高いと考えられます。
　動画配信サービスは、dアニメストア、FOD、Disney+、DAZNなど多数あり、無料お試し期間が用意されており、競争が激しくなっていることが見てとれます。各ブランドでは、強みのジャンル（アニメ、ディズニー、スポーツなど）を訴求し差別化を図っています。新規顧客の獲得、魅力ある作品の提供、長期的な顧客との関係性構築に向けた各社の今後の取り組みが注目されます。

※1【小中高校への休校要請（2月27日）と各指標のピーク時のポイント】
・Amazon Prime Videoのバズ：13.3%（2月27日）から19.6%（5月23日）に上昇（6.5ポイント増）
・Netflixのバズ：3.7%（2月27日）から12.6%（5月8日）に上昇（8.9ポイント増）
・Huluのバズ：3.3%（2月27日）から8.6%（6月12日）に上昇（5.3ポイント増）

・Amazon Prime Videoの広告認知：29.9%（2月27日）から38.2%（6月11日）に上昇（8.3ポイント増）
・Netflixの広告認知：10.4%（2月27日）から19.4%（5月7日）に上昇（9.0ポイント増）
・Huluの広告認知：11.2%（2月27日）から19.9%（6月14日）に上昇（8.7ポイント増）
＊バズと広告認知のピーク時がほぼ一致することから、広告がバズの増加に寄与していることが伺えます。