NRCレポート
【NRC デイリートラッキング】
<2022年5月~2026年3月>
国内政治と国際情勢に対する不安 Part2
公表日 2026年05月11日
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日本リサーチセンターは、1960年に設立されたマーケティングリサーチの会社で、民間企業や官公庁、大学等からの依頼を受け、各種の調査研究を行っています。
また、世界各国に調査拠点を置く「GIA」と「WIN」※の日本で唯一のメンバーとしてグローバルネットワークに参加し、海外調査も数多く実施しております。
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- ※GIA(Gallup International Association)
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WIN(Worldwide Independent Network of Market Research)
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NRCデイリートラッキングは、2022年5月から毎日同じ質問項目でweb調査を行い、人々の行動や感情を分析しています。
(全国20~69才男女対象で、1日平均150人回収のwebアンケート)
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本レポートは、国内政治と国際情勢について2022年5月から2026年3月までの不安率の推移をまとめたものです。
2026年は、国内政治では2月8日に第51回衆議院議員総選挙が実施され、国際情勢では2月28日にアメリカ合衆国とイスラエルがイランを攻撃するなど、年明け早々から大きな出来事が相次いでいます。これらの出来事が人々の意識や不安感にダイレクトに影響している様子が、データからも鮮明に見て取れました。また「今、あなたが気になっていること(自由回答)」で多く挙げられた「選挙」や「戦争・紛争」といったワードについて具体的な意見も抜粋して紹介します。
なお、前回レポートでは期間が2022年5月~2025年12月でしたが、今回は2026年1月から3月データを追加して分析しました。
前回のレポートはこちら↓ -
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<不安率の週別推移>
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- ・「今、あなたが『不安に思っていること』は何でしょうか?『特に不安や心配に思っていること』があればお知らせください。(複数回答可)」という質問に対する時系列の結果です。提示した16の選択肢のうち、今回は「国内政治」と「国際情勢・戦争・紛争」に注目しました。
・調査は毎日実施していましたが、ここでは20~69才全体の日別結果を週単位で合算・集計しています。
・以下の折れ線グラフは、2022年5月の調査開始から2026年3月末までの不安率の推移で、前回から新たに2026年1月~3月を追加しました。
※「2026/3/25週」とは、3/25(水曜)から4/1(水曜)までの1週間を指します。その期間の日別平均値のようなものとお考えください。
※グラフ内には、国内政治や国際情勢に関連する、当時の主要な時事ニュースをメモとして記載しています。
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「国際情勢・戦争・紛争」の不安率
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・今回は2026年以降の動向をみていきます。
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・2026年2月28日、アメリカ合衆国とイスラエルがイランを軍事攻撃したという衝撃的なニュースにより、「国際情勢・戦争・紛争」への不安率が3月に4割近くまで急上昇しました。
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・2026年は1月~2月は20%台で推移しており、2/25週は28%でしたが、攻撃直後の3/4週には38%と、わずか1週間で10ポイントも上昇しました。さらに3/18週には39%に達し、これは2022年5月の調査開始以来、過去最高の数値です。そして3月末(3/25週)時点でも38%と、極めて高い不安水準が続いています。
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・これまでロシア・ウクライナ情勢やパレスチナ・イスラエル情勢に動きがある際も不安率は上昇してきましたが、今回はそれらを上回る最大値を更新しました。緊迫した情勢が長期化すれば不安率が40%の大台を超えてくる懸念もあり、今後の動向が注視されます。
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「国内政治」の不安率
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・2026年2月8日の第51回衆議院議員総選挙では、自民党が単独で300議席を超える「歴史的大勝」を収め、高市政権が強固な基盤を確立しました(1月19日の解散表明、1月23日の解散を経ての投開票)。
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・「国内政治」への不安率は、 2026年1月初旬は19%と平均を下回っていましたが、解散後の1/28週には20%台半ばへと上昇。投開票日を含む2/4週には27%に達しました。これは調査開始以来、「国内政治」項目における最高値となります。
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・選挙直後の2/11週には21%と平均値まで低下していることから、この時期の不安率の動きは衆院選に伴う政治的緊張感に起因するものと推察されます。
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<不安に関しての意見(自由回答より)>
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- ・「『今、あなたが気になっていること』について、差しつかえない範囲でお教えください」と質問して、自由に回答してもらったものです。
・「国内政治」と「国際情勢」に関連するもので、2026年1月~3月の期間内に出現頻度の高かった「戦争・紛争」「イラン」「原油」「アメリカ」「物価」「選挙」の5つのワードについて分析しました。・以下は、2026年1月から3月まで、半月ごとに集計したワード出現件数を折れ線グラフにしたものです。
・「物価」というワードは、1月から3月の期間では77~153件と安定して多くあがっていました。
・「選挙」は、衆議院が解散してから選挙結果が明らかになった1月後半~2月前半では100件超と増加しています。
・「戦争・紛争(侵攻、侵略、戦闘なども含む)」は、2月までは40件以下でしたが、2月末に中東で戦争がはじまって、3月には国際情勢への不安率と連動して「戦争・紛争」のワード件数は200件超に増えました。
・「イラン」「アメリカ」や「原油(石油、ガソリンも含む)」というワードも、「戦争・紛争」と同じ動きで3月に多くなっています。
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・では、具体的にはどのような意見が多くあがっていたでしょうか。 -
・半月ごとに出現件数の多かったワードについて、象徴的な意見をいくつか抜粋してご紹介します。
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2026年1月1日~15日
・1月前半は「物価」(97件)に関する意見が最多でした。
・「物価上昇に賃金が追いついていない」という切実な声が圧倒的です。インフレの長期化による生活苦や、将来的な生活設計や老後の資金繰りに対し、強い不安を抱いている様子が伺えます。
物価については
・円安の進行が物価高をさらに加速させていることへの不満が噴出しています。「買い物のたびにレシートを見直す」といった、日々の生活防衛に追われる具体的な苦労も語られています。政府の物価高対策の実効性を問い直す声や、年金生活者からの悲鳴に近い不安も寄せられました。
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選挙については
・1月後半の衆議院解散を受け、「厳冬期の実施は国民への配慮に欠ける」という不満や、多額の税金投入(選挙費用)に対する否定的な意見が見られました。
・一方で、高市首相の手腕に期待する声や、現政権の継続を支持する意見も一定数存在します。
・特定の支持政党の有無にかかわらず、「選挙結果が自分の生活や経済にどう直結するのか」を見極めようとする、中立的な意見もありました。

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2026年2月1日~14日
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・2月前半は、第51回衆議院議員総選挙(2月8日投開票)の影響で、「選挙」(108件)に関する意見が最多でした。
・投開票前(~2/7)は、自民党・維新がどれだけ議席を積み上げるのか、また、公約として注目された「消費税減税」が本当に実現するのかといった点に高い関心が寄せられました。
・一方で、止まらない円安などを背景に「いつまでも貧乏国から抜け出せないのではないか」「選挙結果により経済がどうなるか」といった、現状の経済状況に基づいた不安の声も見られました。
・投開票後(2/9~)では、自民党の圧勝という結果を受け、「安定した政治基盤で暮らしやすくなってほしい」という期待の一方で、「今後、日本が戦争のできる国になっていくのではないか」という外交・安全保障面での独走を懸念する声など、期待と警戒が入り混じる反応があがっていました。

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2026年2月15日~28日
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・2月後半は「物価」(97件)に関する意見が再び最多となりました。
・衆議院選挙という大きな政治イベントが一段落したことで、人々の関心は再び日々の生活防衛へと回帰しているようです。「物価高で貯金ができない」「社会保険料も下がらない」といった現状への不満とともに、発足したばかりの新政権に対し、具体的な物価高対策を求める声が多くあがっています。

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2026年3月1日~15日
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・3月前半は「戦争・紛争」(205件)が突出して多く、関連する「イラン」(143件)、「原油」(75件)、「アメリカ」(60件)というワードも増えました。
- ・ 2月末の米・イスラエルによる軍事攻撃を受け、「紛争の泥沼化」や「日本が戦争に巻き込まれる可能性」を危惧する声が多くありました。「子供たちが心配」といった人道的な視点や、世界秩序の崩壊を恐れる意見も顕著です。
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・また、中東情勢の緊迫化に伴い、「石油の備蓄は大丈夫か」といった供給面での不安が語られ始めています。
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2026年3月16日~31日
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・3月後半も「戦争・紛争」(204件)、「イラン」(171件)、「原油」(137件)、「アメリカ」(68件)が多い中、「物価」(153件)に関する意見が急増しているのが特徴です。
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物価については
・米・イスラエル・イランの紛争や、それに伴うホルムズ海峡の封鎖が「原油高騰を通じたさらなる物価上昇」を招くと危惧する声が出ています。「ガソリン代などの燃料費上昇」が家計を圧迫するだけでなく、輸送コスト増によるあらゆる商品の値上げ、さらには経済全体の悪化を予感する意見も見られました。 - ・終わりの見えないインフレに対し、「貯金が目減りしていく」「収入が追いつかない」といった悲鳴に近い声もあがっています。4月からの品目値上げを控え、紛争の影響でさらなる上乗せが懸念される中、「老後暮らしていけるのか」や「資源不足になり必要な治療ができなくなるのでは」といった切実な不安もありました。
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・国際情勢の悪化がダイレクトに生活困窮へと繋がる筋書きが、回答者の間でリアリティを持って受け止められているようです。
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戦争・紛争などについては
・米政権の行動に対する恐怖心や、ホルムズ海峡の封鎖が現実味を帯びる中、「世界大戦への発展」をリアルな脅威として捉える回答が相次ぎました。
- ・注目すべきは、紛争が「ガソリン代の高騰」や「あらゆる品の物価上昇」に直結し始めた点です。「原油が入らなくなれば恐慌になるのではないか」といった、単なる物価高を超えた、社会システムの崩壊を危惧する声も寄せられています。
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・こうした「出口の見えない複合的な恐怖」が、不安率を調査開始以来最高の39.2%まで押し上げる要因となったと推察されます。
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NRCデイリートラッキング 調査概要
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- 調査目的:人々の行動と感情について日々の変化をトラッキングする
- 調査方法:web調査
- 調査対象者:NRCサイバーパネル会員 全国20~69才男女
- 毎日(平均)約150人回収
- 日本の人口構成比(エリア、男女、年代)に合わせてウエイト集計
- 調査期間:2022年5月17日からデイリーでトラッキング調査を実施中
- 調査機関:日本リサーチセンター(NRC)
- 調査項目:昨日行ったこと、昨日の感情と気分満足、今の不安 など
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- ※今回は、2022年5月~2026年3月まで、「国内政治」と「国際情勢」の不安率について週別推移を分析しました
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「NRCサイバーパネル」について
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本調査は、日本リサーチセンターの自社パネル「サイバーパネル」を利用しています。
サイバーパネルでのアンケートに参加されたい方は、以下の「モニター募集ページ」をご覧になってください。
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株式会社 日本リサーチセンター
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