NRCレポート
【NRC デイリートラッキング】
3年間の週別推移 (2022年5月~2025年5月)
❷感情と気分満足
公表日 2025年08月15日
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日本リサーチセンターは、1960年に設立されたマーケティングリサーチの会社で、民間企業や官公庁、大学等からの依頼を受け、各種の調査研究を行っています。
また、世界各国に調査拠点を置く「GIA」と「WIN」※の日本で唯一のメンバーとしてグローバルネットワークに参加し、海外調査も数多く実施しております。
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- ※GIA(Gallup International Association)
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WIN(Worldwide Independent Network of Market Research)
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NRCデイリートラッキングは、2022年5月から毎日同じ質問項目でweb調査を行い、人々の行動や感情を分析しております。
(全国20~69才男女対象で、1日平均150人回収のwebアンケート)
今回は2022年5月から2025年5月末までの3年間の推移を3回に分けて紹介しますが、本パートは「❷感情と気分満足」についてのレポートです。
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3年間の週別推移 ❶不安に思うこと NRCレポートはこちら ↓
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- 【NRC デイリートラッキング】3年間の週別推移 (2022年5月~2025年5月)❶不安に思うこと
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<3年間の週別推移> 20~69才全体
8つの感情
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・「喜び(うれしい気持ち)」「信頼(信じて頼りにすること)」「期待(予期して待っていること)」「驚き(思いがけないことにびっくりすること)」「恐れ(恐怖、不安)」「悲しみ」「嫌悪(憎み嫌うこと)」「怒り」の8つの感情について調査しています。
・『「昨日」1日の間で、次のような気持ちを感じることがありましたか?』 という質問に対して、「強く感じることがあった」 「少し感じた」 「全くなかった」 の3つの選択肢から1つを選んでもらい、「強く感じることがあった」と「少し感じた」の計を各感情の比率としました。
・調査は毎日行っていましたが、ここでは20~69才全体の日別結果を週ごとに合算して集計しています。
・調査実施は2022年5月17日週から2025年5月28日週ですが、聴取対象を「昨日」としているため、グラフ上では1日前にずらして、2022/5/16週から2025/5/27週の表記です。
・なお、2025/5/27週とは5/27(火)からの1週間を示します。その1週間の日別平均のようなものだとお考えください。
- ・8つの感情の中では「喜び」のスコアが最も高く、53~64%と他の感情よりも高い水準で推移していました。
・次いで「信頼」39~49%、「期待」35~44%、「怒り」28~41%、「驚き」26~37%と続きますが、「恐れ(恐怖、不安)」「悲しみ」「嫌悪」の3つは、2割台~3割台の推移でほぼ同じ比率でした。
- ・「喜び」「信頼」「期待」のポジティブな感情は、「恐れ(恐怖、不安)」「悲しみ」「嫌悪」のネガティブな感情よりもスコアが高くなっています。
- ・2024年元旦、石川県能登半島を震源とする大規模な地震が発生しましたが、2024/1/1週では「驚き」「恐れ(恐怖、不安)」「悲しみ」の3つの感情スコアが前週より急上昇して最大値となっています。全国で多くの人々が年明け早々の地震発生に驚き、恐怖や不安、そして悲しみを強く感じていたことがわかります。
・また、2022/7/4週では「怒り」「驚き」「恐れ(恐怖、不安)」「悲しみ」「嫌悪」の5つの感情が上がっており、中でも「怒り」と「嫌悪」はこの3年間の最大値でした。2022年7月8日は安倍元首相が白昼に銃撃されるという、日本中を震撼させた衝撃的な事件が起きており、これが人々の感情に大きく影響したのではと推察されます。
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気分満足
・『「昨日」1日は、あなたは「心が満ち足りた気分」でしたか?』 という質問に対して、「とても満足した気分だった」「満足だった」「少し満足だった」「どちらともいえない」「少し満足でなかった」「満足でなかった」「まったく満足した気分でなかった」の7つの選択肢から1つを選んでもらった結果です。
・グラフでは「とても満足した気分だった」+「満足だった」 +「少し満足だった」 の3つの計(満足・計)と、「まったく満足した気分でなかった」+「満足でなかった」+「少し満足でなかった」の3つの計(不満・計)を表示しました。
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- ・この3年間の週別推移をみると、満足・計は39~50%、不満・計は23~32%で推移しています。
・いずれの週も満足・計が不満・計を上回っており、生活者の満足感はポジティブに寄っており、安定していると言えそうです。
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<3年間の週別平均と標準偏差>
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・2022/5/16週から2025/5/27週の3年間、合計159週の平均と標準偏差を算出して、感情と気分満足の高低をみてみましょう。
- ・20~69才全体の平均値でみると、8つの感情の中で最も高いのは「喜び」(58%)でした。次いで「信頼」が45%、「期待」が40%と続きます。
・「怒り」と「驚き」は3割強、「恐れ(恐怖、不安)」「悲しみ」「嫌悪」は3割弱でした。
・気分満足については、「満足・計」の平均が45%で、「不満・計」の27%を上回っています。 -
・ 「喜び」「信頼」「期待」「満足・計」のようなポジティブな感情は、「怒り」「恐れ(恐怖、不安)」「悲しみ」「嫌悪」「不満・計」のようなネガティブなものより比率が高く、人々の日々の精神状況はポジティブが優位のようです。
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・ また「平均+標準偏差」と「平均-標準偏差」からその差分をみると、8つの感情、気分満足のいずれも動きが小さく、感情は安定しているように見えます。しかし、感情とは日ごとに動くものですから、週次で合算すると平均化されて変化が小さく見えるのかもしれません。
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- ・次に年代別の平均値もみてみましょう。
- ・「驚き」「恐れ(恐怖、不安)」「悲しみ」は若い人ほど高く、年齢が上がるほど低くなっており、年代差が大きいです。
・また「期待」「嫌悪」「怒り」も若年層で高く、高齢層で低い傾向がみられます。
・「喜び」「信頼」は20代から50代にかけてやや低くなり、60代でまた高くなっていますが、年代差はそれほど大きくありません。 - ・気分満足については、60代で「満足・計」が最も高く、「不満・計」は最も低くなっていました。
- ・60代は若年層に比べてポジティブな感情が優位で、満足率も高いのが特徴のようです。
- ・3年間の週別の動きの大きさについては、いずれも年代差はあまりみられませんでした。
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NRCデイリートラッキング 調査概要
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- 調査目的:人々の行動と感情について日々の変化をトラッキングする
- 調査方法:web調査
- 調査対象者:NRCサイバーパネル会員 全国20~69才男女
- 毎日(平均)約150人回収
- 日本の人口構成比(エリア、男女、年代)に合わせてウエイト集計
- 調査期間:2022年5月17日からデイリーでトラッキング調査を実施中
- 今回は、2022年5月~2025年5月の3年を「週別推移」で分析
- 調査機関:日本リサーチセンター(NRC)
- 調査項目:今あなたが不安に思っていること、昨日の感情と気分満足、昨日行ったこと
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「NRCサイバーパネル」について
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本調査は、日本リサーチセンターの自社パネル「サイバーパネル」を利用しています。
サイバーパネルでのアンケートに参加されたい方は、以下の「モニター募集ページ」をご覧になってください。
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